昔住んでいた賃貸住宅は、風呂付で家賃2万円でした。
築数もあり見た目もそれ相応な木造建築のその物件は、
基本的に「何か」ある人しか住もうとしないシステムとなっています。
私の場合、「何か」ある訳ではないですが、
「何も気にしない」という点で難なくこの物件に住めるわけです。
私の隣は彫り師で、いつもひっそりと暮らしており
あまり姿を見せることはありませんでした。
反対隣には若い夫婦が住んでおり、
旦那さんの方の会社に社宅があるにも関わらず、
何故かこの賃貸住宅に引っ越してきました。
両隣とも特に何があるわけではなく、あとはきさくな外国の人だけでした。
夜にバイトをしていたので、家にいる昼間はひっそりとしており、
静かな日々を過ごしつつ、見た目よりずっと住環境の良さを感じていました。
とあるバイトも何もない夜、眠りにつこうとしていると声が聞こえてきます。
ところどころ途切れる声に「ああ、彫り師の人がAVでも見てんだな」と
気にしませんでした。
ところがどんどん声が大きくなり、最終的には筒抜けというよりも
すぐ隣でぐらいの臨場感を醸し出してきました。
AVを見るのは構いませんが、そんなに大きく音量を上げられては困ります。
「おい、ちょっと大きいぞ」という意思表現をしようと、
彫り師の部屋の方に歩きだしましたが、どんどん音が遠ざかって来ます。
「あれ?」と思い、冷静に考えました。
音の発信源は彫り師ではなく若夫婦の方でした。
しかもAVではありませんでした。
そういえば以前に引っ越してきた際の理由を「居づらくなって・・」と言っていましたが、
その意味がようやく分かりました。
大阪市の給食がまずいという記事をネットで見ている時に、
何故か「隣から聞こえるエッチな声の対処法」というのが関連記事で出ていて思い出しました。
記事では「直接言うには難しい問題ですので、手紙を出して注意喚起しましょう」との事でした。
社宅に居られなくなるほど声の大きい彼らに対して、
「もう少し静かにお願いします」という手紙を差しだす勇気は今でもありません。
ところで給食との関連は一体どのあたりにあるのでしょうか。