焼肉爺情
投稿日:2011/03/23例えば県外など遠くから帰ってくる時に、この街の焼肉の香りで「あぁ帰ったなぁ」と思います。
土日ともなれば、より一層濃く感じられます。
この街の焼肉店事情の特徴と言えば、昼の部・夜の部と分けられておらず、開店から閉店まで焼肉を楽しめる環境にあります。
そんな私も焼肉が大好きです。
先日も食べに行ってきました。
混んでいる時間帯を避け、何飯?という16時半くらいには店に着き食べるというスタイルでいつも挑みます。
やはり思惑通り、客は私だけの貸切状態で楽しんでいると珍しく早いお客がやってきました。
「座敷な、座敷。3人な。」
声のする方を見るとじいさんが3人座敷にわらわらと上がって行きました。
出された温かいおしぼりを「はふぁあはふふぁ」などと言いながら顔を拭き、おもむろに注文し始めました。
「えーとな、ロースが3、カルビが3、脂の多いホルモンが3、それとセンマイ、センマイは生な、レバ刺しは2ずつで、あと瓶ビール2本とウーロン茶!」
ちなみに私(30代後半)の注文は「ハラミ1人前、ホルモン1人前、ご飯大、生中」でした。
ファーストオーダーですでに負けています。
これではいかん、と追加注文を考えていると
「わしゃ、大正15年生まれやからな、あんたより年はいっとるけど・・・」
という会話が耳に入りました。
大正15年、大正15年・・・私の頭は追加注文から年号の計算に切り替わりました。
出ました。86歳です。 肉を3人前食べます。 しかも脂の多いホルモンをあえて頼んでいます。
彼らの注文した肉たちが次々とテーブルに並べられていきます。
大正15年のじいさんが焼き網に次々とのせて一人のじいさんに言いました。
「あんたはわしらより若いんやで、ようけ食べなあかんで。」と
笑顔で言っていました。
でもきっとその若いじいさんも80代だと思われます。
ジュージューと肉を焼き、ハフハフと食べ
「お兄さん、梅チュウと上ミノ3人前な! それとビビンパも、な。」と笑顔で追加注文していました。
私はその勢いに圧倒され、追加注文の意欲は消え失せ店を後にしました。
3日後、お昼ごはんを食べに牛丼屋さんに行きました。
こないだのじいさん達を見習い、いつもは「並」にするところを「大盛」にしました。
私だって食べようと思えば食べれます。ええ、食べれますとも。
丼を持ちかき込んでいると
「3名様入りまーす」と店員が言いました。
ふと目を向けるとあのじいさん達です。
「肉丼食おう、肉丼」と笑顔で入ってきました。
店員さんに「肉丼大盛3つな!」と頼んでいました。
私はもっと頑張らなくては、と思いました。
それよりも私とじいさん達が同じようなコースで飯を食うことを考えなくては、とも思いました。
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