関係者席

投稿日:2012/01/11
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大相撲の初場所が始まっています。新大関への期待からかお客さんも増えています。関係者一同ありがたく思っております。
同年代の連中と比べても、私は昔から相撲熱が高いと自負しています。
しかし、私が住んでいた地域では大相撲中継はお笑い漫画道場よりもはるかに人気番組でした。
大概の男子は、だん吉&なおみのおまけコーナーを見るより、逆鋒&若島津の取組に熱視線を送っていました。ですので地元では「私=相撲好き」とはなっていません。
大人に成るにつれて、相撲の話が出来る人と出会う機会が少なくなっていきました。
小学生の時に、千代の富士ブームがありました。
「ゆでたまごのきん肉マンでスプリングマンにバラバラにされたリキシマンことウルフマンのモデルになった人」と言えば解っていただけるでしょうか。
千代VSアンドレとかタイソンVS猪木などの夢のカードを想像力のみで語り合い、最終的に喧嘩になったりしていました。
高校生位の時に、いわゆる「若貴ブーム」がありましたが「ケッ相撲の何足るかも知らないくせに」と斜に構えキャーキャー騒ぐ人達を馬鹿にしていました。
そんな若貴ブームの真っ只中の事です。
伊勢神宮で相撲大会があるらしく、特別電車で関取らが大挙してやってくるとの噂を聞き付けました。
当日、宇治山田駅に到着する時間までが情報として回ってきました。
地元代表を気取って駅に行きました。
駅の中は、あちこちにロープが張られて入場制限が行われています。サイン色紙を持ったオバサンを掻き分けてロープ際まで近づき、自然にロープを跨ぎます。
浴衣姿の若い衆が止めに来ましたが「ワシは関係者やから」と一喝しスタスタと歩き続けました。
若い衆らにジッと見られてるので喫茶店に逃げ込みます。
その喫茶店のカウンターで、たまたま小錦が一人でカレーを食べていました。
椅子を二つくっつけて座ってますが、ケツがそこからはみ出しています。
私は小錦には喫茶店の関係者に、喫茶店には小錦の関係者に思われる様にして、隣に座りました。
小錦がギロッと見てきたので「うまい?カレー」と言うと「普通」と答えました。
「普通ではアカンなあ」と言うと「普通が一番」と言いペロッと食べ終えました。
その流れで小錦と一緒に喫茶店を出ると、さっそく若い衆が近寄ってきたので逃げ出しました。
ロープの関門をくぐり抜けた母親とガタイの良いジャージの子供が何組か入門を希望していました。人生いろいろです。
そして私は自分が学ランでいる事に気付き「何の関係者やねん」と呟いたのでした。


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