六三一万
投稿日:2012/10/28この「よみもの」が掲載されているのは、ファーストベースという会社のホームページです。
先日、そのホームページを管理している会社の偉い人と話をする機会がありました。
以前にも書きましたが、
このまま「よみもの」を垂れ流し続け、容量が増え過ぎると、ホームページ本体の何かを圧迫する恐れがあるとかで、
散々脅された過去があります。
ですので、執筆サイドとしましては、少々身構えて相対せざるを得ませんでした。
ソファに座ると、スッと珈琲が出されましたが、
おいそれと口にはしません。
しかし偉い人は、前回の脅迫面をさも無かった事のようにして、
見たことの無いニコニコ顔で語りかけてきます。
何でも『検索ワード』で『ファーストベース』を検索すると、ここのホームページがトップに表示されるんだとかで、
偉い人に似つかわしく無いテンションで
「凄い事です!6130000件の中で1位ですよ!」
と喜んでいます。
何の事やらよく解りませんが、珈琲を口に含みながら
「そうなんですか」と、私は答えます。
そのローなテンションが気に障ったのか
「100件や200件じゃないんですよ!ろっっぴゃぁくうぅまぁんけぇえんーなんですよ!」と大きな声を上げました。
はてさて、世の中に『ファーストベース』で検索する人が、何人いると思っているのでしょうか。
例えば野球場の職員が、ファーストベースが壊れたので買い替えが必要となり、何故か検索をするとしましょう。
この場合、ファーストもセカンドもサードも、ホームベース以外は同じ形ですので、検索ワードは『ベース』です。
又は、草野球で一塁手の彼に片思い中の娘が、プレゼントを考え、何故か検索したとします。
ファーストベースを贈るとは考えられません。
頑張って『ファーストミット』止まりです。
なぜなら『ミット』は個人の所有物になりますが、
『ベース』は皆の物だからです。
したがって、『ファーストベース』で検索をする酔狂な輩は、
この世の中で、私の目の前の偉い人だけという事になるのです。
その事実を伝えられる訳もなく、
イッキに珈琲を飲み干した私は
「ご馳走になりました」と、呟いて帰りました。
偉い人はまだニコニコとしていました。