韮道端草
投稿日:2012/05/07暑い午後、道端でビールとメンチカツで宴を開きました。
その流れでフワフワしたまま歩いてました。
街中の草が生えてる道に差し掛かと、一人の女性がしゃがみ込んで何かをしています。
傍らには赤い自転車が立っています。
「何をしてるんですか?」声をかけました。
声に気付いた女性を見ると、左手に20cm位の草を束にして握っています。
「何してるんですか?」と再度問いかけました。
しかし、女性は困った表情で何も答えません。
「草?」と私。
すると女性は
「クサデハアリマセン」
と始めて口を開きました。
「草やん」
「タベマス」
「それを?」
「オイシイネ」
「どんな味すんの?」
「ウーンワタシニホンゴニガテデス」
「どこの人なん?」
「チュウゴクデス」
「ふーん」
中国をよく知らない私は、とりあえず一緒にその食材になる草を摘む事にしました。
「コレやな」
「チガウ」
「コレか?」
「チガウ」
「ちょーもっかい見して」
「ハイ」
「コレが食べれんのかあ」
「ハイ」
一本かじってみると、ニラの香りがしました。
「ニラやなあ」
「ヤイテタベマス」
「ちょっと苦いな」
「ヤイテタベマス、タマゴトヤイテタベマス」
シャッキリしたニラの味で酔いもすっかり醒めました。
ニラを探しますが、私が摘む草がことごとく違うので、女性は呆れてるみたいでした。
必要な量を詰んだみたいで、女性は自転車のカゴに草を入れ言いました。
「カエリマス」
「コレもあげるわ」
私からのプレゼントの草束を
「チガウチガウ、コレモチガウヨ」
とピンピンとより分けて
「アリガト」と言い自転車をこぎだしました。
「バイバーイまたねー」女性を見送った後、一人で探しましたが一本も見つける事は出来ませんでした。