電子寿命

投稿日:2012/08/13
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急に電子レンジがストライキを起こしました。
ご飯を温める時、便利なレンジには「あたため」というボタンがあります。
この「あたため」をピッと押すだけで、レンジの中の食材は温まる寸法です。
「あたため」の温度調整も可能で、「強」ボタンを押すとより温まる寸法です。
しかし、「あたため」も気まぐれな事が多く、ピッと押して40秒後くらいに
「ピーピロピー」と温まったサインを出してきますが、全く温かくない時があります。
そんな時は普通に2分とか時間を設定して温めることが多いのですが、
こないだはその普通に温めるやつが全く機能しませんでした。
いつものように時間を設定し、スタートを押してボーという音をたてながら
レンジは仕事をしていました。
「ピーピロピー」という音と共に蓋を開けると、冷たいご飯が鎮座していました。
ボタンを押し間違えたのかもしれない。
そう思い、再度同じように時間を設定しスタートを押しました。
そしてさっきと同じように蓋を開けると、やはり冷たいご飯が鎮座していました。
3度目の正直とばかりに、再度同じ作業をしても結果は同じでした。
「壊れてしまったのかもしれない」
とりあえず、熱い味噌汁に冷たいご飯を浸しながら夕食を食べました。
心の中に流れる音楽は槇原の「もう恋なんてしない」でした。
「君がいないと何にもできないわけじゃないと」
冷たいご飯を味噌汁で流したけれど、あまり美味しくない。
レンジが今までいてくれたおかげで得られた幸せを噛みしめながら、
この先の食事事情をどうしようかと考えていました。
冷たいご飯は食欲を減退させるようで、いつも以上に残してしまいました。
最後の確認で、もう一度残ったご飯をレンジに入れました。
少し感傷的になりながら、スタートボタンを押すとさっきとは何かが違う感じがしました。
みるみるラップが熱で浮き上がり、「ピーピロピー」という音と共に出てきたのは熱々のご飯でした。
「何やったんや!」と声を荒げるも、
「こいつぅ」的な感じでレンジをコツンとしたのです。


カテゴリ:グルメ