場末のスナックに行くと、ソファ席に女児がいました。
先客の夫婦の子供で、父親の歌う長渕剛「順子」にコーラスを付けていました。
客はその家族と私のグループだけです。
退屈した様子の女児が、カウンターに座った我々をチラ見してきます。
しばらくして、チョコチョコと走り寄って来て『コレあげる』と紙を渡されました。
女児はすぐにソファに戻ります。
紙を見ると、店の人に貰ったであろうカレンダーの裏に、私の似顔絵を描いてました。
眼鏡・半ズボン・サンダルの特徴を着実に捉らえていますが、下手くそでした。
『コッチおいで』と手招きすると、再び近寄ってきて隣にチョコンと座りました。
オレンジジュースを飲ませます。
ポニーテールで派手な服装は母親の好みでしょうか。
小学校高学年位かと思い『学校で好きな人おんの?』と聞くと、
『わからん』と答えます。年を聞いたら６歳で、来年一年生になる年令でした。
絵の完成度が低かったのはそのためでした。
やがて、プリキュアのマグネットシールみたいなので遊ばされました。
着せ替えたりしています。
私が黄色のプリキュアを指差して『コレは俺やわ』と言いました。
『嘘や』
『ホンマやって』
『嘘やわ』
『変身したらコレになるんやわ』
女児は私の顔をジッと見て、
『おヒゲが違う』と言いました。
無精髭以外は合格の模様です。
ママさんは『○○ちゃん、遊んでもらって良かったねえ』と冷えた瓶ビールをカウンターに置きました。
似顔絵を描いたカレンダーが水滴でグチャグチャになってました。
女児の将来が楽しみです。