下宮の横に勾玉池があります。
その池の横に新しい美術館みたいなのが建ち、
それに併せて下宮の周りを整備し、新しいお店が続々とオープンするみたいです。
たくさんの観光客が内宮だけに行く流れを、下宮にも呼び込む作戦なんでしょう。
もう２０年前になりますが、勾玉池は私の定番のデートコースでした。
「入場無料」「閑散」「小動物」の三大ポイントがウリでした。
入場無料と言いますか、金取ったら怒るレベルの公園です。
ニケツで行って、近所のコンビニでジュースや菓子を買って、
池の周りをグルグルと歩きながら他愛もない会話をするのです。
街中だと、知り合いに会ったり、「ガンを飛ばした」とケンカになったり、昔の彼女にバッタリで気まずくなったりと対応に忙しいのですが、
そこは人がいたとしても、ジョギングをしてる人か寝てる浮浪者ぐらいでした。
ジョギンガーとは、何回もすれ違ったりもしくは追い抜かれたり、
浮浪者とは、いつものベンチを占拠されたり、「べっぴんさん連れてエエなあ」と冷やかされたり、
いたって平穏な出来事しか起こりません。
池には、鯉や亀、小鳥がいます。
鯉がパンを突っつくのを見ながら、「将来の夢」を語り、亀の甲羅干しを見ながら「自分がいかに相手を好きか」を囁き、小鳥を捕まえようとしつつ「ダメ出し」を受けたりしていたのです。
久しぶりに行った勾玉池は、綺麗に整備され、人もたくさん増えていました。
全く面影を無くしてました。
そういう物語です。