伊勢饂飩
投稿日:2012/08/09昔、伊勢の川で仕事をしてる人達がいました。
舟で荷物を運んだり降ろしたりのハードな作業です。
お昼ご飯は、エネルギー補給に徹する為にデンプン主体のうどんでした。
揺れ動く舟上でこぼさない様に、汁を無くしてタレを絡める形にしたのが「伊勢うどん」の原形なんだとか。
考えてみれば、雑な料理です。
「汁がこぼれるのが嫌だけど、うどんは食べたい」→「汁を捨ててみよう」→「完成」の流れです。
それ程までして、たかが「うどん」を欲するモノでしょうか。
その情熱を、「汁がこぼれない器を開発」することに使っていたならば、
現代でも役立っているはずの新たな発明品が生まれていたでしょう。
例えば、エエ感じの水筒的な品物とかです。
更に言えば、一人前のうどんを食べる時間は、せいぜい15分。
忙しい仕事中でも、変わりばんこに行けば十分対応出来たはずです。
店側も各店が切磋琢磨の競争をして、讃岐に負けないうどん王国になったかもしれません。
舟を停泊させれば、社員全員がゆっくり楽しく食べれます。
グズグズではないコシのあるうどんが主流になったかもです。
「鵜飼を見物しながらのうどんは乙なもんだ」と観光客が押し寄せた事でしょう。
汁をなくす安易な方法を選んだ人は、どう責任をとるつもりでしょうか。
こんな事を、弁当を食べながら考えていました。
弁当は伊勢うどん2玉でした。