模様変更
投稿日:2013/11/03毎回オイル交換は、近所のガソリンスタンドでしてもらいます。
小さい店ですので、必要以上に店員と喋らずに済み、何か買うように奨められる事も無く、ほっとかれるのが逆に気に入っています。
作業を待ってる間は、待合室の本棚を活用し、時間をつぶしています。
本棚の内訳は、るるぶ・まっぷるの旅行雑誌が数冊、さいとう・たかおの劇画が上四段、昭和風のエロ漫画が下二段となっています。
非常に片寄った構成ですが、一番充実している、さいとう・たかおの『鬼平犯科帳』『仕掛人 藤枝梅安』『影狩り 蜉蝣十八万二千石』『新・影狩り』『風よ雲よ剣よ』などの剣客モノを選んでいるので、不便さは全く感じさせません。
最近のお気に入りは、読み切りかつ続き物型式の『拝札人 斬』で、ここ毎回「今日はここから、楽しみ」「今日はここまで、残念」と読んでいました。
先日、店に行くと本棚が撤去されており、
替わりに、ガラステーブルの下のスペースに、
インレッド・ステディという女性ファッション誌と、
人妻豊色本・ほろ酔いお姉さんというエロ系グラビア雑誌が数冊だけ並べられていました。
キョロキョロと本棚を捜すと、旅行雑誌のみが片隅に立てて置かれてました。
オバサンの店員さんに「あの〜本棚はどこですか?」と話しかけました。
必要最低限以外の会話は、来店以来初めてでした。
オバサンは「ああ、アレね、邪魔だからどけちゃったの」と口にして、
「いまどき読む人もいないし、前の社長の趣味だったから、置いてたんだけどね」と続けました。
仕方なくテーブル下の雑誌をパラパラと眺めましたが、
『今年の冬コーデはコレッ』にも『尻で見分ける淫乱女50人』にも、全く興味が湧きません。
名残惜しさに、本棚が存在したスペースを眺めました。
今やそこには、赤い毛氈がかけられた棚が置かれ、ひな人形風の二段の階段に、
陶器の狸やら鬼やら龍やらの焼き物が並べられています。
狸は二匹おり、上の段の狸は阪神のミニメガホンを持たされています。
お店の努力と客のニーズは、毎回必ずしも合致する訳ではありません。
お土産にティッシュペーパー5箱を渡されましたが、
私の表情は悲しげなママでした。