背広復活

投稿日:2013/04/19
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男のオシャレはパンツから、と言いますが
大人のオシャレは、やはりジャケットからではないでしょうか。
ジャケットという響きに触れるのは、
高校の制服がジャケットかどうかによって違ってきます。
ただ、高校時代のジャケットは下に履くズボンが大抵チェック柄が多く、
ジャケットとズボンでは違うテイストになっています。
イメージとしては「ボンボン」であり、大人とは違った方向となります。
私は高校時代、学ランでしたので、最初にジャケットに触れたのは成人式でした。
まさに大人の階段登り始めの時です。
当時、ヘビーローテだった赤ジャージで成人式も参加するつもりでしたが、
先に手を打ってきた母親に「スーツを買ってあげるから」という事で
紳士服店に連れていかれ、店員に勧められるままの色・形を購入しました。
もちろん、ジャケット裏のポケット部分には名前の刺しゅうを当然のごとく施しました。
スーツに触れたのはその時だけで、その後の何年間は赤ジャージで過ごしていました。
年を経て、私も普段からスーツを着るような状況になってきましたが、
スーツというのは大抵すぐにヘタるものです。
一番ヘタりが早いのがジャケットです。
ジャケット着用のまま車を運転するとシートベルトでジャケットがこすれ、
そこだけテカテカと光るようになります。
他の人に「スーツのここ・・・」と指摘されたら、もうそのジャケットは着られなくなります。
別に破れたわけでも、穴が開いたわけでもないのに、
着用を制限しなければならないのが切ないわけです。
しかもスーツはセットですので、ジャケットだけ変更できません。
変更した場合は、高校生のようなボンボンスタイルは否めません。
そうなるとズボンは履けても、そのスーツはクローゼットの奥へ追いやられるのです。
スーツは安い買い物ではありません。
そこで思い出したのです、成人式の時のスーツの存在を。
20年ぶりに対面したそのスーツは、黒でもない、灰色でもない、緑色でもない、
何とも言えない色合いをしていました。
こんなんやったっけ?と思いながら着用すると、どうにか入ります。
おかしくないか鏡に写すと、そこにはビートたけしの映画に出てくるような
ヤーさん役のような自分が立っていました。
ジャケットだけを変更して高校生のようなボンボンスタイルをするか、
ヤーさんのようになるか。
どちらもアウトな感じですが、無いより有る方がマシだと思い後者を選択しました。
20歳の頃の私は、店員にどのように見えていたのでしょうか。


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