二人七十
投稿日:2013/05/25新聞の悩み相談で、老人の悩み事を見付けました。
見出しは『70歳の夫に2人の愛人』でした。
七十歳の夫は月に二回ほど、仕事の出張でニ、三日家を空けます。
二十五年ほど前と十年ほど前から二人の愛人がいます。
出張の帰りに泊まってくるのです。
どこに泊まったか聞いても教えてくれず、問い詰めると怒ります。
でも私が病気になると一生懸命、介護してくれます。
ほとんどのお金も私が管理しています。
何度、離婚を考えたか分かりません。
この先どうしたらいいかと悩みます。
三十年くらい、一緒に床に就いたこともありません。
愛知県・かなしい人(七○)
この悩み相談のコーナーは、週に一回の間隔で掲載されており、
前週の悩みに対するアドバイスと、
今回の悩みの発表で構成されています。
当然ながら、アドバイスにしても悩みにしても、
掲載に至るためにはハードルが待ち構えているのです。
今回の相談者の場合ですと、
投稿手段としてメールやファックスは考えにくいですので、
おそらく手紙か封書での投稿だと思われます。
内容が内容だけに封書でしょうか。
下書きをし、文房具屋で便箋セットを購入し、郵便局で切手を購入し、清書をし、封をし、ポストへ投函をしたのです。
更には切手の金額に迷い、便箋の派手さにうろたえた事でしょう。
ひょっとすると、何回かはボツになり、
内容がエスカレートしたりドラマチックに変貌したかもです。
それだけの労力を夫にぶつけていれば、
悩み事は解決したかも知れません。
悩み相談に夢中になるに連れ、夫の不信感が増えたのかも知れないのです。
そして、掲載されなかった老若男女の何人かが、今回も生み出され、
より劇的な惨状を待ち焦がれているのです。