網交換期
投稿日:2013/06/09いつも行く焼肉店は、人がいないのを見計らって
大抵16時辺りを狙って行くのですが、
先日、学生時代の同じ下宿だった後輩が遊びに来たので、
初めて20時半ごろ行きました。
土日は相当混み合っている店ですので、
張り切って事前に予約までしてみたのですが、
到着した店内には、既に食べ終え帰ろうとしている客が一組いるだけで、
着席と同時に私たちだけの貸切状態となりました。
貸切状態ですので、呼べばすぐ来てもらえますし、
お肉の到着もビールの到着もことさら早いです。
飲む機会のない後輩ですので、
一度話に花が咲くと焼肉の手が止まります。
一枚焼いては話し、
ビールを飲んでは話し、
焼けた肉をほうばっては話し、
気付いたように焼肉を焼いては話し、で
意外と焼肉という食べ物は話しながらでは難しいことに気付きました。
焼肉デートをするカップルなどは、どのような感じなのでしょうか。
少し目を離すと肉はこげてしまうため、
スローペースで肉を網にのせていきます。
客が私たちだけの為、スローペースに肉を焼かれると
注文自体が少なくなり、焼肉店の店員たちは手持無沙汰になります。
手持無沙汰を埋めるための店員たちの発散は網の交換になるのです。
滞在時間1時間の間に2回も網を替えにきました。
しかしどうせ私たちしか客がいないのであれば、
肉が網にのっていない時を見計らって
交換にきてくれればいいのですが、
必ずと言っていいほど網に肉がのっていて、
さあ、ひっくり返すぞという時に
「網を交換致します」とやってくるのです。
肉がへばりついた網を持ち無言で佇み
「早く取って新しい網にのせて下さいね」という雰囲気は、
別に焦ることではないのですが非常に焦ります。
その上、今まで温めてきた肉への情熱が
網の交換で何かゼロに戻されるような気持になるのです。
今思えば、「早く食って早く帰れ」という無言のプレッシャーだったのかもしれません。
もちろん、そんなものに屈する私ではありませんので、
閉店時間ギリまで焼肉を堪能していました。
3回目の網交換はさすがに言いにきませんでした。