胡瓜漬物
投稿日:2013/07/31昨晩、きゅうりのキューちゃんを食べていて
初めてキューちゃんに出会った時の事を思い出しました。
それは小学生の頃で、友人のおにぎりの中に具として入っていました。
みたことのない、茶色いような黒いようなオレンジのような
その物体がおにぎりの中に入っていることに驚き、
「それ何なん?」と聞いてみました。
「キューちゃん」と友人は答えました。
私には意味が分かりませんでした。
そもそも我が家には「漬物を買って食べる」という事がなく、
キューちゃんが漬物であることはおろか、
その存在すら知りませんでしたので、
彼の口から「キューちゃん」と言われても
頭の中にはオバケのQ太郎しか出てきませんでした。
もしかしたら何かの略称なのかもしれない。
そう思いもう一度問いました。
「キューちゃん、で合っとんの?」
そう聞くと彼は「きゅうりのキューちゃん」と答えました。
ますます意味が分からなくなりました。
キューちゃんはどうやらきゅうりであることは分かりますが、
きゅうりがどうなっているのか分かりませんでした。
「キューちゃん」という調理法があるのかもしれない。
私は彼に「それ、一個ちょうだい」と言いました。
たぶん彼からすれば貴重なおにぎりの具ですので、
迷惑この上ない依頼だったに違いありませんが、
しぶしぶ一個分けてくれました。
初めて食べるキューちゃんは、見た目よりも美味しく
きゅうりで漬物はぬか漬けか浅漬けしか食べたことがなかった私には
とても新鮮で感動的なものでした。
「もう一個ちょうだい」私は彼にせがみ、
彼のおにぎりの具はとうとうゼロになりました。
オレンジ色に染みた白米を切なそうな顔で食べていました。
家に帰り母親に「キューちゃん作って」と頼みましたが、
その日の食卓に出たのはやはり普通のぬか漬けでした。