暇人挨拶
投稿日:2013/08/12甲子園の高校野球の試合をテレビで見ていると、
ちょいちょいチーム紹介のVTRが流れます。
たいてい各学校のグランドで収録されており、
キャプテンが「今年のチームは〜」と話す形なのですが、
このVTRが年々酷い事になってきています。
以前は、集合写真風に選手達がズラッと並んでいる前で、
キャプテンが淡々と紹介するスタイルでしたが、
最近はほとんどのチームが紹介前に、
滑り込んでみたり、バットを振ってみたり、シャドウピッチングをしてみたりと、
野球に絡めたお遊戯を行った後で、
おもむろに紹介しだすスタイルに変わってきました。
まるで出来の悪いミニコントです。
このミニコントはオチのパターンが決まっています。
「絶対勝つぞ」「オー」
「テッペン取るぞ」「オー」
等の様に「○○するぞ」とキャプテンが呼びかけると、
他のメンバーが奇妙な間を置いて全員が声を揃えて「オー」と応えます。
近年は「オー」の後にカメラに走り寄って騒いだり、
踊りだしたりするチームも多数います。
まるで「ガチョーン」や「ダッフンダ」の後の、ハラホロヒレハレな動きのようで、
勝負に挑む男には相応しくはありません。
そう言えば思い出しました。
私が現役の高校球児の頃、
大会前なんかにOBがフラッとやって来て、外野ノックを手伝ったり、バッティングピッチャーをしたりと、
暇人丸出しの行動を取っていたのですが、
OBの姿が見える度に、練習の手を止め
キャプテンが「挨拶するぞー」と叫び
全員が帽子を取って、暇人OB達に一礼しつつ「オース」と叫んでいました。
「オース」を言う側としては、鬱陶しく思っていたものです。
ひょっとして昨今のハラホロヒレハレは、昔ながらのそんな現象に対しての
アンチテーゼなのかもしれません。
アンチテーゼが何かはよく解ってはいませんが。