独眼兄貴
投稿日:2013/09/16真島の兄さんには色んな事を教わりましたが、
その中でも一番印象に残るのは『男は長いものに巻かれてはならない』と言うスピリットでしょう。
つい最近も、跡目争いで幹部連中のみの会議に出席していた真島の兄さんでしたは、
私利私欲の謀略合戦をジッと黙って見ていましたが、しばらくして
「アホくさ」
「お前らで勝手にやっとけや」
「ただし俺のシマへ入ったら許さんでえ」
と会議室を出てってしまいました。
思い起こせば、真島の兄さんとの出会いは、
随分とはるか昔になりますので、
思えば長い付き合いですね。
左目に独眼竜の眼帯をし、素肌に細身のジャケットを合わせ、背中には般若。
手に持った長ドスをペロペロ舐めながら、
「イーヒッヒッヒッ」と笑う兄さんと対決したものです。
素早い動きに翻弄され、幾度も苦杯を強いられました。
正直言って、「兄さんに勝ちたい」「兄さん以上の男になりたい」との思いのみで、
これまで私は精進して来た気がします。
普通の人には考えられない事態におちいりながら、
何度もその度に死線をくぐり抜けてきた兄さん。
そんな兄さんと三度目に巡り合った時の事を思い出します。
兄さんは極道から足を洗い、黄色のヘルメットを被って、
建築会社を経営していました。眼帯はそのままでした。
元の若い衆からは「社長」「社長」と呼ばれていましたが、
対決となれば、相変わらずの素早い動きで、
私は相当追い詰められましたね。
その後協力を買って出てくれ、
CIAさながらの無数の監視カメラのコントロールルームから仕入れた貴重な情報が、
どれだけ私を助けてくれた事でしょう、感謝しきれない思いです。
そんなカタギの兄さんに、訳あって再び極道への復帰を頼んだのも私でした。
無茶な要求に当然、首を縦に振らない兄さん。
「言う事を聞かせたかったら俺を倒せや」と対決になってしまいました。
何度も「もうダメだ」と思いましたが、
兄さんに勝つ事が兄さんへの恩返しと思い、
時間はかかりましたが何とか打ち破れました。
「相変わらずごっついのう」
「ワシはごっつい奴、好きやで」
「お前の頼み、聞いたろやないけ」
とありがたい言葉をかけて頂いたご恩は、生涯忘れないでしょう。
真島の兄さん、これからも手のかかる弟分の私をどうぞよろしくお願い致します。
m(._.)m
あ、そうそう、真島の兄さんはゲームのキャラクターですんで。