第三醍醐(2)
投稿日:2014/10/23昨日の続きです。
そんな第三のチーズですが、私は全くの予備知識無で食した事があります。
とある日、チーズが好きな私は「チーズフォンデュ」を食べようとスーパーへ行きました。
私の作るチーズフォンデュは、非常に簡単なもので、
スーパーなどで売っている溶けるチーズに牛乳、小麦粉を混ぜて、
それらしく作るというものです。チーズにこだわりは特にありません。
チーズ売り場には2種類置いてあり、いつも買うものと、
見た事のないパッケージのものがありました。
見た事ない方は値段も安く、「コレステロール65%カット」と、
健康を意識する年代の私には何やら良さそうな商品です。
裏をみると原材料の一番上に「チーズ」と書いてあります。
「たぶん、加工品なんだろうけど、チーズが一番多く使われてるんだから、
チーズに間違いないだろう」と深く考えずにカゴに入れました。
家に着き、パンを切り、ソーセージを茹で、チーズを溶かし始めました。
いつもよりもったりしているように思いますが、こんなもんだろうと深く考えずにいました。
食べ始める時、まずソーセージから食べました。
いつものチーズより味が違う様な気もしましたが、別段普通に食べれました。
パンをチーズに付け、食べた時に衝撃が走りました。
全くチーズではないんです。何かと聞かれたら、嘘臭いホワイトソースのような感じです。
何かがおかしい。そう思い、もう一度パンで食べるのですが、
どうしても味がおかしいのです。
塩を混ぜてみたり、ニンニクを加えてみたり、試行錯誤をしましたが、
どうしようもなく嘘臭いホワイトソースから抜け出ることはありませんでした。
大量に切ったパンを横目で見、途方に暮れていましたが、仕方ありません。
私は急いでスーパーへ再度行き、いつものチーズを買い、新しく作り直しました。
それからの食卓は実に優雅に、美味しく、何一つ苦しい事がなく過ぎて行きました。
グラノーラというものが出始めた時、「これは鳥の餌だな」と思ったことがあるのですが、
あれから改良もされ、今ではきっと美味しくなった事でしょう。
第三のチーズは、きっと出発点なのです。
そう思い、冷凍庫の見えない所へ第三のチーズは深く深く仕舞いこまれまたのでした。