鞄購入旅

投稿日:2014/04/02
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カメラバッグの購入を思い立ちました。
カメラバッグと言いましても、写真部や記者をイメージさせる物では無く、
スマートに気軽に持ち運べるのが理想です。
近場の家電量販店を見に行くと、
だいたいの店で、端っこの陳列棚の埃っぽい下段に2・3個置かれているだけでした。
ナイロン袋から出すのもためらわれ、
必要な容量も良く解らないまま眺めただけで帰宅となり、
ネットで検索するとお値打ちな商品がズラズラ紹介されていたり、
私みたいな立場の連中が相談をしていました。
ご苦労な事に、収納例を写真で紹介したり、
レンズ交換のスムーズさを自慢したりと、イメージ通り奥が深い世界の様子です。
私の要望としては、「カメラバッグに見えない」ですから、
それっぽい探索をしますと、
初見でしたが、最近は『カメラ女子』や『小型一眼レフ』の影響で、
昔には無かったシュッとしたバッグも増えてるんだそうです。
意気揚々と候補を絞る作業をしていたのですが、
やたらに諸先輩が『大型カメラ店で実際に試す』ことをアドバイスをしていました。
購入した人は、
『色が写真と違う』
『内寸が表記のデータと違う』
『布が安っぽい』
等と、言いたい放題で困ります。
見に行かねばと思い立ちましたが、大型カメラ店は三重にはなさそうで、
一路名古屋まで車を走らせました。
増税前の駆け込みか、春休みでかは知りませんが、
駐車場を見つけるのにさえ苦労しつつの入店です。
バッグコーナーには、ネットで見ていた品物も沢山並んでいました。
明日、京都御所に撮影に行く為のタイヤが付いたカート型を探すお爺さんや、
無言で全てのリュックを順番に背負い、
鏡の前でチェックしているお姉さんに混ざっての探索です。
目当ての品物が見つかり肩にかけてみると、イメージの五割方でかいのです。
よく街中で見かける「君のリュックには何がそんなに詰まっているんだい?」と、
問いたくなるようなフォルムばかりです。
20代のほとんどを赤いジャージで過ごしてきた、
オシャレとは無縁の私でさえ「ダサイ」と思ってしまう立ち姿。
中にはシュッとしたスタイルの物もありますが、
シュッしている分、鞄の中にはほとんど何も入りません。
散々見たあげく、思う中身の容量とシュッとしたフォルムを兼ね備えているのは、
私が一番持たないトートバッグ型のものでした。
カメラバッグの探求に費やしてきた今までの時間。
ネットであれやこれやと検討してだいたい目星をつけていた過去の私。
それらすべて打ち砕くようなトートバッグ型が一番良いという結果。
打ちのめされた気持ちになり、フラフラと店内を漂っていると、
インナーケースコーナーにて男性が熱心に検討をしています。
おもむろに自前の普通のシュッとした鞄を開けると、
鞄内にカメラ用インナーケースと共に、
一眼レフとレンズが一本おさまっていました。
男性に使い心地を問おうと話しかけたのですが、
「イングリッシュプリーズ」と困った顔で言われ、不明のままです。
結局、私は何も買わずに名古屋を後にしました。
滞在時間は小一時間でしたが、私のカメラバッグへの長い旅路は終わりを告げたのでした。


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