太田和彦(2)
投稿日:2014/09/15太田和彦さんを知ってますでしょうか。
本業はよく分かりませんが、ケーブルテレビの居酒屋を訪ねるよく分からない番組を見てファンになりました。
ミスター居酒屋と呼ぶに相応しい人物で、そんな彼の居酒屋三原則は『いい酒、いい人、いい肴』だそうです、よく分かりませんが。
その彼が、日本中の居酒屋を巡って『ツイー』と酒を呑む「ニッポン居酒屋放浪記」という本を買い、読み倒しました。
「立志篇」と「疾風篇」です。
単にお店を紹介するだけでなく、昼間から街の下見をし、歴史を歩き、銅像を評価し、横柄な店主には立ち向かい、しかし美人には鼻の下を延ばしを重ねながらハシゴをし、最後はバーでジントニックを呑んでます。
大阪のタコ、静岡の黒ハンペン、秋田のハタハタ、横浜のアクアビット、函館のイカソーメン等、行ってみたい街や食べてみたい品が目白押しです。
実は第三段の「望郷篇」もあるらしいのですが、近場の古本屋にはありませんでした。
そんな居酒屋のオーソリティが、日本各地で何軒か絶賛している居酒屋があり、
居酒屋好きの中ではそれらの店は「聖地」となっています。
先日、京都の聖地に行ってみました。
鴨川沿いにある店は17時開店でしたので、雨の中16時40分に到着すると、既に3人並んでいました。
気恥ずかしい気持ちで4人目になるやいなや、
相合い傘で現れる者、タクシーで乗りつける者、何の行列かと便乗して列ぶ馬鹿者で長蛇の列になりました。
17時になり、暖簾がセッティングされ開店です。
入店するとカウンター曲がりの席を指示されました。
目の前には本にも書かれていたオデン鍋が設置され、湯気を立てています。
名店気取りの板前ではなく、柔らかい京都弁で「何にしましょ」と言います。
暗い店内はいくつか裸電球がぶら下がり、左手の板前の後ろの壁には、いい感じでメッキが剥げた金縁の鏡が二枚掲げられてます。
一人で来てる客が多く、雰囲気を呑みに来てる店でした。
太田さんもこの鏡を見た事でしょう。
甘めのヌル燗4本と〆鯖、オデンのロールキャベツと大根とゴボ天とタコ、鰆の味噌焼きで五千円ちょっとでした。
帰りに雨宿りした古本屋で太田さんの本を見つけて買いましたが、
ニッポン居酒屋放浪記の三冊から抜粋してまとめた「自選ニッポン居酒屋放浪記」でしたので、三分の二が同じの内容でした。
「望郷篇」の三分の一は既読しましたので、手に入れるのはますます難しくなりました。