梅雨之夜
投稿日:2013/05/30先日この地域も、無事に梅雨入りしましたが、
季節を現す言葉の中で
「梅雨」だけが「入り」を付ける不思議さに、皆さんは気付いているのでしょうか?
春になっても「春入り」とは言いませんし、「夏入り」「秋入り」「冬入り」とも言いません。
その替わりと言っては何ですが
「春めく」「夏真っ盛り」「冬籠もり」のように「春」「夏」「冬」に関してを、特別な表現で言う事はあります。
しかし「秋」には何もありません。
サンマを食べた時に「秋やねえ」と言っておしまいです。
後輩の「冬」には「冬支度」やら「冬将軍」等も用意されているというのに…。
私は常々「秋」がとても可哀相に思っています。
しかしながら今日は「梅雨」についての考察ですから、
「秋」の不遇に関しましては、やっぱり秋に行いたいと考えている所存です。
さて「梅雨入り」で無事に「梅雨」となった梅雨ですが、
『始まりあるものいつかは終わる』の言葉通り、
やがては梅雨にも終わりがやってきます。
この辺りは、平家物語の出だしを彷彿とさせないでもありません。
その梅雨の終わりは「梅雨明け」と言いますが、
またしても特別な言い回しで現しています。
日本語の中で『入って明けてくる』ものは、
私の調査によると「梅雨」だけでした。
入ってくるものは「土俵」「嫁」「水」、
明けてくるものは「年」「夜」「任期」と多数あるのですが、
両方は「梅雨」だけです。
こんな事を考えながら、梅雨の毎日を過ごす私です。