革製草履

投稿日:2011/06/26
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五年間、ヘビーローテーションで履いていたサンダル(革製)が遂にヘタリました。
外見上は破れてはいません。頑丈さが売りな奴です。
雨の夜にゴミ捨て場に向かおうとして履いたら、妙にヌルヌルとしているのです。
今までに感じた事の無い足裏の感触が、私に異変を告げたのでした。
部屋に戻って足を洗ってから原因を究明する事にしました。
思い起こせば五年間、一度も洗ってあげた事がありません。
買った当時は薄茶色だったはずの靴底は今や真っ黒けになっています。そういや最初は指の形に黒く色付いて、やがて全面的にこうなってしまったんだよなあと、今さら悔やんでみました。
ヌルヌルの原因が自分からの分泌物にある事はもはや明確です。
早速その足でシャワーで流してみましたが、ヌルヌルはびくともしません。
今までの五年間、外から帰っては家中の部屋やら廊下やらにペタペタと熟成させた分泌物を塗り込んだり擦り込んだりしていたのかと思うと憂鬱でたまりません。
バケツに洗剤を溶かしてそこへサンダルを突っ込み、浮いてこない様に手桶で蓋をしました。
そうしておいて一晩寝かせました。
翌朝、バケツには真っ黒の汚水とふやけたサンダルがありました。
その後、サンダルは拭いたり干したりして何とか一命は取り留めました。
黒水はそのまま排水溝に流しました。しかし砂みたいな粘土みたいな物がバケツの底に溜まっています、今も。
触るとネバネバします。
鼻を近づけてみましたら無臭でした。
何度バケツを洗ってもどうにも綺麗になりません。水が確実に濁るのです。
我が家の汚染水処理も危機的状況となっています。


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鼻脂吸紙

投稿日:2011/06/18
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昔、毛穴パックというのをやったことがあります。
鼻の周りに粘着力のあるクリームを塗り、乾いたらはがすやつです。
そうすると、ニョロニョロみたいな小さいやつがいくつか付いていました。
鼻の毛穴に詰まったものだそうです。
毎日顔を洗っているのにも関わらず、毛穴と言う小さなすき間でこいつらは身をひそめて洗顔にも負けないで居座っていたことを知りませんでした。
そこで疑問がわきました。
今、汚れで埋まっていた毛穴のニョロニョロは取り除かれたとしてその空いた穴はその後どうなるのであろうか。
穴は自ら閉じようとするのだろうか。
しばらく普通に生活をし、ふと気になって再度毛穴パックをするとまたニョロニョロを発見しました。
何ということでしょう。
穴は新たなニョロニョロの住処と化したわけです。
ポジション的に言うと、奇面組の豪くんのような男くさい私ですが意外にキレイ好きです。
朝晩2回、風呂に入ります。風邪の日でも入ります。暑い日は水風呂につかります。
そんな私ですので、毛穴のこいつらが気になって気になって仕方ありません。
私はその日から毎日ニョロニョロ退治を試みました。
結果、豪くんのように男くさい私ですが肌が弱い為、鼻周りが赤くヒリヒリする形となりました。
毛穴パックは封印することに決めました。
ハイ、これはいわゆる永久機関です。
ところが先日、封印したはずの毛穴パックをふとした拍子に発見してしまいました。
もう一度ニョロニョロに会いたくなる自分がいました。







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鸚哥水浴

投稿日:2011/06/16
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ペットショップの前を通ると、店員さんがじょうろで水をあげていました。
花かと思ったら大きめのインコでした。
インコは気持ち良さそうに流れ落ちてくる水を浴び、しきりに羽根を広げていました。
梅雨の合間の晴れにしては暑い日。
水風呂が好きな私にはインコの気持ちがよくわかりました。
住宅街を走行中、紫外線を受けまいと通販でよく見かける、サンバイザーの日除けの部分がワイドかつ黒くてこちら側からは見えないかつ可動可能になっているやつをかぶったおばさんが前からきました。
日除け部分を顔の前までグッとかぶせて自転車をこいできました。
あまりにグッと顔にかからせているせいか前が見えにくい為、顔を斜めにしフラフラ運転です。
危うく私の運転する車にぶつかりそうになりました。
「すいません」の一言も言わず、表情の見えないサンバイザーが一瞥しフラフラ去って行きました。
顔周辺はばっちり紫外線対策をしているのに、半袖でした。

梅雨の合間の晴れ、にしては暑い午後。
インコの方がずいぶんと美しく見えた午後でした。







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鮭鱈海苔

投稿日:2011/06/06


「鮭は赤い身をしていますが、本当は白身魚です」とフリカケのパッケージに書いてありました。
もちろんシャケフリカケのにです。
別のフリカケには「海苔には表と裏があります」とありました。
ええ、こちらはノリフリカケです。
タラコやのりたまにもそれぞれに書いてありました。
まさかこの年令になってフリカケに教えられるとは思ってもいませんでした。
しかもキティちゃんのフリカケに。
この事からも解るように現代は情報化社会です。
便利な事に大抵の知りたい事柄はフリカケやネットで即座に入手する事ができます。
私は高校の三年間をほぼ情報から隔離されて過ごしました。
下宿していたのですがテレビがなかったのです。もちろんパソコンもありませんし携帯電話どころか黒電話すらもありませんでした。
メディアから入ってくる情報は隣の部屋の三笠さんが買うジャンプだけでした。
ベルリンの壁が壊れたのも知りませんでした。
フセインも知りませんでした。
宮沢りえのヌードも知りませんでした。
三笠さんが恋をしてフラれたのは笑いながら慰めました。
そんな情報過少状態でもそこまで不自由さを感じる事無く過ごしてましたし、自分の人格形成はあの頃に基礎が出来て今に到っているんだと感じます。
たくさんの情報に埋もれてしまって、自分にとって本当に大切な事を見落とさない様にしたいものです。
「たらふくとは鱈のお腹が膨れた様子から名付けられました」がタラコフリカケからのメッセージでした。







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褌一丁裸

投稿日:2011/06/04


衣替えの季節です。
私は学生時代から衣替えの時期を先取りする傾向にありました。
夏服への移行は5月ごろから、冬服への移行は9月くらいからしていました。
意味はありません。ただ冬服はもう少し後からにすれば良かったと毎回汗を流しながら思いました。
さて、世間では節電でスーパークールビズなるものがあるそうです。
TPOに応じてですが、Tシャツやらサンダルやらで会社に行ってもOKとのことです。
学生時代、ほぼ制服姿しか見せていない場合の初めてのデートなどで、意気揚々と私服で向かった際、「うわっダサっ」とひそかに思われてしまうパターン。
野球選手が野球をしている時だけかっこよく見えるパターンです。
今、スーパークールビズを推奨する会社のサラリーマンたちは、実は焦っているかもしれません。
スーツという制服を脱ぎ、私服に近い姿をさらすということは否が応でも女子社員からの服装チェックが入ることになるでしょう。
スーツでは分かりづらい、肉のたるつき加減もTシャツやらポロシャツやらではありありと見えてしまいます。
「ちょっと、○○課長っておっぱいあるわね」と給湯室での良いネタとなることでしょう。
しかし、節電です。世のサラリーマンたちがたぷついたラインを見せることによって日本が救われていくのです。
負けていてはいけません。日々、お腹をひっこめつつ仕事に勤しんでいただきたいです。
ちなみに私はTシャツで仕事したい気持ちをグっと押さえて1点のみのささやかクールビズを実施しています。
「運転中はサンダル履き(通年)」

スーパークールビズ
ウルトラクールビズ
ミラクルクールビズ







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雨樋素麺

投稿日:2011/05/26


日本を離れて祖国に帰る異国人が増えているとニュースで見ました。
異国人には苦い思い出があります。
15年位前の事です。
私の住んでいた部屋の隣のアパートは、一軒丸ごとどっかの工場の社員寮になっていました。
異国人はブラジルから来た人らしいと近所の人が嫌そうに言うてました。
私が部屋の前の道でバットを持って素振りをしていたら視線を感じました。
隣のブラジルの男の人でした。
ニッコリ微笑んだら近寄って近くにしゃがみ込みました。
「やってみる?」とバットを手渡し、持ち方から教えましたが上手く出来ません。
やあやあ言うてレクチャーしていると、ブラジル派閥の連中が五人出てきて興味深そうに囲みました。
全員下手くそでした。
私は「そやっ」と言い残して部屋に戻りサッカーボールを手に戻りました。
ヒュ−ヒュ−と大歓声で出迎えられ、すぐにサッカー大会が始まりました。
ほとんどボールに触る事も出来ずに終わりましたが、サッカーボールをプレゼントし、それ以降は「ハーイ」とか言い合う仲になりました。
それからしばらくした、夏の暑い日曜日。
ブラジルからの六人がけだるそうに外にでて座ってました。せっかくの休みなのにする事が無い上に部屋が異様に暑いとの事。
私は日本では暑い夏を乗り切る方法がある、それは流しソ−メンだと伝え、皆で流しソ−メンをする事になりました。
私がソ−メンの茹で係で他六人が会場設定係です。
ソーメンを茹でているとキャッキャッと歓声が上がりバリバリと音がしました。
寮の雨ドイを破る音でした。
取りあえずソーメンを雨ドイに流して食べて皆で楽しく過ごしました。
次の日の夜遅くに帰宅すると、私の靴箱にサッカーボールが置いてありました。
器物破損で六人は会社から帰国させられる処分となってしまったそうです。
見送る事も出来なかったと言うより、そんな事になっている事も知らなかった私。
竹の説明さえキチンとしておけばと今も悔やんでいます。







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安心戦隊

投稿日:2011/05/23


こうみえて怖い話が苦手です。
テレビなどでそういった雰囲気が出ると条件反射でチャンネルを変えます。
昔は夏がやってくると、結構テレビでやっていたりしましたが最近はあまり観なくなりました。
怖い話、といえば稲川淳二という方式が出てきますが、あれはいつから発足したのでしょうか。
怖い話は嫌いです、でも稲川淳二が怖い話をしても何を話しているのか全く分からず、理解ができないという理由で怖い思いを全くしません。
不思議な出来事です。
あの独特の喋り方が大きく影響しているのでしょう。
しかし、あの喋りも怖い話をしているからこそ生きるのだと思います。
普通の番組で普通に何かを話す稲川淳二は普通すぎてしかも聞き取りにくいという二重苦で観ているこちらが「なぜ稲川淳二を・・・?」といった疑問を持ち、逆にそれが面白かったりします。
是非、これからも彼を色々な場面で観てみたいです。
もう一人、色々な場面で観てみたい人がいます。
安心戦隊アルソックの吉田選手です。
彼女は非常に素晴らしいキャラをお持ちでいらっしゃいます。
あのCMが流れる度に私は立ち止まってしまいます。
是非、彼女も色々な場面で活躍していってほしいです。







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初鳴一声

投稿日:2011/05/15


自分のペットの可愛いところを撮ってあるやつを動画サイトでよく見かけます。
動物は意図したことがなく、常に正直であるため映る画も本人(犬or猫等々)にしてみれば日常生活の一面に過ぎないかもしれないけれど、見ているこちら側からすれば、とても面白かったりします。
しかも真顔(表情がない)な状態で淡々とおかしなことをするので何となく持ってかれた感を感じてしまいます。
さて、そんな動画サイトも今の時代だからこそです。ずいぶん昔にしたらビデオもそこまで普及しておらず写真なり思い出なりにしか、ペットの形を残せませんでした。
とある私の知り合いの人が自分の飼っていたインコについて話してくれました。
とても可愛い白いインコだったと。目を細めながら言いました。
本当かどうかは分からないがインコはオスしか喋らないと、誰かから聞いたそうです。
このインコはメスだからいくら言葉を教えようとしても喋らないかもしれないけど毎日話しかけていたそうです。
そしたらある夏の日の朝、起きて顔を洗いインコに「おはよう」と話しかけたら「昨日の夜は暑かった」と喋ったそうです。
とても驚き、もう一度喋るように催促をしましたが、その後は「ピーピー」鳴くだけでした。
それでも嬉しくて「そうやよなぁ、昨日の夜は暑かったよなぁ」と何度も何度も話したそうです。
とびきりの笑顔でそのエピソードを話してくれました。
私は何度も「いや、聞き違いじゃ・・・」と言いかけたのを飲み込みました。
その時代に簡単に映像として残すことができたらどんなに良かったでしょう。
しかし、思い出の方がより美しく残るかもしれません。
インコが喋ったか喋ってないかはもう良いのです。
心温まれば良いのです。
ただ、初めての言葉がそれではインコ的にもしまったな、と思ってほしいところです。







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危機希林

投稿日:2011/05/14


ワイドショーで内田裕也さんの事が出ていました。
どうやら交際女性に復縁をせまり、何やら事件になったようです。
そのニュースを流し、コメンテーターが色々と言っています。
「でもそれはロックンロールじゃないわよね」とか
「去る者追わずがロックンロールだと思いますが・・・」とか
「ロックンロールならもっと・・」とか、やたらとロックンロールを使いたがっていました。
私はあまり内田裕也を知らないので彼のロックンロールっぷりは分からないのですが、そもそも、ロックンロールなアイツとは一体どういうものなのでしょうか。
・賽銭はあまり入れない
・カレーを好んでよく食べる
・サングラスが似合う
・太っていない
・お年寄りに優しい
・虫とかに弱い
・モテる
・かばんは持たない
・ジャージは似合わない
等が上げられる事だと思います(トゲトゲはロックンロールの中でもヘビメタになる※編集部注)。
私の大好きな居酒屋の貴公子太田和彦が、忌野清志郎と親交が深かったという史実もあります。
どんな人にでもロックンロールなアイツになる可能性があるという事なのでしょう。
そういった事からも今回のコメントとしては
「ロックンローラーらしからぬ」立ち位置からよりも
「内田裕也らしい」立ち位置からの方が正解なのではないでしょうか。







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四十該当

投稿日:2011/05/12
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朝起きたら喉がやや痛くしゃがれ声しか出ませんでした。
引き出物で貰った電子体温計を初めて脇に挟みました。
ピピッと鳴って取り出すと38.5度でした。
私は世間では熱い奴とか熱苦しい奴とかと評判ですが、平熱は普通の連中より控え目にしております。
ですので「私の38.5度」は「世間の40度オーバー」に該当します。
体温計を見た途端に具合がかなり悪くなってしまいました。
よく聞く話ですが「アメリカ人には肩コリが無い。というのもアメリカには肩コリと言う言葉が無いからだ」の逆バージョンです。
他にも
「自殺者増加のニュースを流すと自殺者が増加する」
「引きこもりと言う言葉を作ったら引きこもりが増えた。ストーカーも同じだ」
等の格言があります。
フラフラしつつ近所の内科に三年振りに行きました。
相変わらずよく混んでいます。
「安定剤安定剤安定剤〜」と呟くお婆さんの隣に座りました。
昔ながらの水銀体温計で熱を測らされました。

36度でした。
診察、私の順番です。
「どうされました?」
「起きた時は三十八度五分やったし声も出やへんでん」
「今は熱は全くですね、声もよく出てますし」
「平熱が低いんやわ」
「みたいですね」
「…」
「…」
「…」
結局トローチみたいなのを処方されて帰ってきました。
何やら嘘つきみたいな気分です。
再度、家で電子体温計で計ってみると39.5と表示されました。
どうしたら良いのでしょう。


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