高貴鶏卵

投稿日:2011/05/30


喫茶店のモーニングのセットでは、ゆで卵が脇を固めるパターンが多く見られます。
定番と言えば定番です。
しかし、実生活の朝食に
ゆで卵が登場するか、と言うとそんな事はなかなかありません。
日常生活での卵のポジションは目玉焼きか生卵が圧倒的支持を得ていると言えます。
卵というやつは、表情を変えてその場その場にて住み分けのできるなかなかににくいやつです。
まるで最近の新入社員には見られない有望な野心家です。
そんな野心家な卵ですが、こと旅館では温泉卵という変化球で登場します。
実は温泉卵は卵界ではセレブな立ち位置と言いますか、異色の出世頭なのではないかと思います。
作った事もその作り方も知りませんが、きっと作るのには手間を要します、おそらく。ただ火を通せば良いという訳ではなくて、あくまでも黄身はやわらかく白身はそれ以上にグズグズに仕上げる辺りが並の卵料理には無いセレブを感じをさせるのです。
旅館には是非とも温泉卵を。万が一旅館で目玉焼きが出てきたら、『お前、場所間違えただろ?』と朝から突っ込まずにはいられません。
せっかく非日常を満喫しているのに、目玉焼きが出てきた途端に家の台所が頭の隅に見え隠れしてしまうのです。







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厨房声援

投稿日:2011/05/29


飲食店で注文した後、店員が暇そうにしていると腹立たしくなります。
もちろん作り手は厨房の中ですでに取り掛かってくれているのは解っています。
暇そうにしているのは主に接客担当ですが、その人らにしてみれば厨房の中はアンタッチャブルな事態なのでしょう。
一方、客(この場合は私)は待つのみです。おしぼりを巻いてみたり水を口に含んでみたり雑誌に目を通したりメニューを見返したり壁に貼られたオススメを眺めたりしつつ「美味しいのが来ます様に」と祈る事しかできません。それは言うなれば出来の良くない息子の学芸発表会を待つ状態に等しいのです。
本人としては直接的にどうしてあげる事も出来ず、ただただ祈る事しか出来ません。己の存在がちっぽけに感じられ、今まで犯した罪の数々を自分で断罪し、悔い改めているのです。
明日からは真人間になって生きていこうと誓っているのです。
接客担当の人は注文した私並には、その料理に祈りを捧げていません。
せめて厨房の中にエールを贈って貰いたいものです。







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大人階段

投稿日:2011/05/27
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朝、コーヒーを飲んでいます。
昔は豆にもこだわって、ちょっと高めの黒煎りを買ったりしていましたがそんな贅沢もできなくなってきましたので今はスーパーでの特売を狙って楽しんでおります。
小さい時、コーヒーは大人な飲み物でした。
また、母親に「まだ早い」などと言われたりして制限されてたからこそ大人な感じがしました。
こっそり隠れて初めて飲んだコーヒー、しかもブラックでの挑戦はみごとに敗れました。
あの香ばしい香りから想像もつかない苦味。
若僧なオイラは「えーーー」となり、「もう飲まないもんね」などと思ったりもしましたが、いつの間にやらあの苦み等を好むようになりました。
大人になった証です。
昔は好きになれなかった、いわしの酢漬けやひじき煮。
見た目で食べたくないと思っていたカニみそ。
それらも今は「うまいねーー」と思うようになりました。
大人になる、ということは決して陰毛が生えるとかではないのです。
さて、大人になるということは何も味覚の変化だけではありません。
大槻ケンジの小説では「大人になるってことは逃げ出さない事」とあるようにいかなる状況でも逃げない事が真の大人です。
大人な私はちょっとやそっとでは逃げたりしません。
やりが降ろうが何だろうが立ち向かっていきます。
そんな私が大人と言う仮面を脱いで逃げたくなる時はひとつしかありません。
注射しかありません。 注射を見ると、とたん子供に戻ります。
「注射怖い」などと言い、毛むくじゃらの手を震わせながら看護師さんに出します。
注射が「たまらんよねーー」と言える時がきたら、私にとっての大人の階段の最終地点です。







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畜肉焼肉

投稿日:2011/05/09
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焼き肉のランクの上下っぷりは目を見張る物があります。
小学生中学生の時は地元に焼き肉屋がありませんでした。ですので当然、最上級ランクに位置していました。
親がたまーに連れて行ってくれる時は、朝からテンションが高くてお店で食べ過ぎました。で帰りの車で大半を吐いてしまうパターンを確立していました。
高校の時に、同級生の一人が野球の試合の前に中学生三人で焼き肉を食べたというエピソードを聞き非常に驚いたものです。
都会の中学生はすげえなと。
大人になり安く食べられる焼き肉チェーン店が乱立してランクは下降しました。
「焼き肉でも食べるか」とでもが付く様になりました。
あの黄金期は過去の栄光に成り下がりました。
その後、松阪に来てその認識が変わります。
ホルモンが旨いんです。
いつも歩いて行く店では、生中二杯、ハラミ・ホルモン、ご飯を食べます。
調子が良いと塩ホルモンを追加します。
脂が甘くて大満足、締めて2500円いかない位。
ランクは最上級に位置し直し今に至ります。
これからも畜肉をこの店で美味しく食べる事でしょう。
安さが売りのチェーン店で生肉を食べる様な事はいたしません。







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舌上組曲(8)

投稿日:2011/05/08


結婚式の引き出物でここのところ幅を効かせているカタログギフトの中身を決めかねている三十代女性から圧倒的な支持を得ている『談志ご飯』のお時間がやってまいりました。
うわあ、久しぶりーの声があちこちから聞こえてきます。
娘の給食との兼ね合いが面倒なのよねと言わず、まあ見てって下さいな。
今回のメニューは
かけそば風スープ!
材料(一人前)
・つゆの素
・分量通りの水
・天かす
[作り方]
1)かけそばの分量通りにつゆと水を鍋に入れます。
2)火にかけて沸騰させます。
3)マグカップに注ぎ、天かすを散らして出来上がり。
お試しあれ!
クレーム不可!

飲んだ後にお腹が空いたけど、何もない冷蔵庫を前にした時に思い出して下さい!







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矢場限定

投稿日:2011/05/05


カレーチェーン店のカレーが辛口で好きです。
大須に行きました。
腹が減り、どこかで昼飯をと目論みました。
しかし、蕎麦は高く、鶏丸焼きは臭く、スガキヤの行列は長く、屋台は貧乏臭かったので中々決めてに欠けました。
そんな時こそカレーです。
カレーは裏切りません。
客の回転も早いので待つ事も少ないという優秀な奴です。
矢場町の店舗に入りました。
並ぶ事も無く席に案内されました。
私のランキングではメンチカツが一位ですが、やっぱり贅沢ですのでポークカレーと言う名の素カレーを注文する傾向が多く見受けられています。
「今日は遠出したしメンチやな」と決定して呼び鈴を押しました。
壁に「矢場町店限定赤味噌カレー」と張ってあるのに気づきました。
店員がやってきて注文を聞いてきます。
メンチから急遽赤味噌へ移行して発注をかけました。
名古屋まで来てカレーってさの気持ちが働いたのかもしれません。
待つ事しばし、赤味噌カレーがやってきました。
ご飯+ルー(赤味噌入り)+ネギ+鶏卵の黄身というルックスでルーの中に白い豆腐みたいなモノが見えていました。
いつもはスパイスをこれでもかと降り注ぐのがルールですが、まずは一口。
麻婆豆腐丼みたいでした。
白い豆腐みたいなモノは豆腐でした。
スパイスを一缶使いきる気持ちで降り注ぐと、ようようカレーになりました。
カレーを食べる気で麻婆豆腐は萎えます。
レジ前でおじさんが会計をしてました。
店員の女「780円になります。赤味噌カレーいかがでしたか?」
客「…いしかっ…よ、…近くでも…」
店員の女「ありがとうございます。残念ながらこのお店限定なんですよ」
客「それは…ん、又来…す」
おじさんの発言は聞き取りにくかったですが、どうやら私と同じ赤味噌カレーにして絶賛している様子です。
店員さんも嬉しそうにノートに何やら書き込んでいました。
自分は会計時にどうすべきなのか。麻婆豆腐ですよと言ってあげるべきか美味しかったと嘘をつくべきか。
考えた結果、憎まれ役になって精進してもらった方が良いとの結論が出ました。
伝票を持ってレジへ向かいます。
何もクエスチョンされませんでした。
独り言が大き過ぎたのでしょうか。







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分離鶏卵

投稿日:2011/04/27
2011/04/16 14:55

すき家でネギ玉牛丼を食べた事があるでしょうか。
ご存知無い方の為に説明します。
まずメインの牛丼があります。その牛丼の上には刻みネギがびっしり載せられて、ピリ辛のタレがかけられています。
横に金属のメカと小鉢が二つあります。小鉢の一つは空でもう一つには鶏卵が入っています。
金属のメカは鶏卵の分離器です。
空の小鉢に金属の分離器をセットします。鶏卵を分離器の上で割り落とすと自然と白身は小鉢へ黄身は分離器へ。
卵の空を小鉢に捨てます。
分離器に残った黄身だけをネギの上にのせて混ぜて完成です。
つまり最後にワンクッション食べ手側にゆだねる訳です。
賛否両論あるでしょうが私はそのひと手間が好きです。
未完成のモノを完成品に持って行くというある種の達成感を感じているのでしょうか。
他にも、パンにバターを塗る作業、お好み焼きを切る作業が世の中には存在します。
達成感ランクで示すと『パンにバター<お好み焼きカット<ネギ玉牛丼』となります。
つまり、ややこしく手間がかかる程、達成感は高まる法則が見受けられます。
人生の訓示みたいです。
困難を自ら買って出る位の心意気が必要なんだという事を学びました、すき家のカウンターで。
すき家よ、今夜も、ありがとう。
これからの私は一味違う大人の男として生きていく事でしょう。
ただ個人的には、味は吉野家の方が好きですし、残った白身をどうしてるのかを聞きたかった事は否めませんが。







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平面食事

投稿日:2011/04/24


最近、多チャンネル放送で ど根性ガエルを観ています。
最初たまたま付けたらやっていたのを機に、ちょくちょく観るようになりました。
私の年代よりは上で、再放送で観ていた世代です。
懐かしいものです。「教師生活25年」とか流行ったなぁと思いながら残念なことがありました。
当時、ど根性ガエルのメイン食材は梅さんのにぎるお寿司でした。
子供心に寿司ってすごい美味しいものなんだ!との認識で育ちました。
しかし改めて見る梅さんのお寿司は、マグロの色がうす紫色をしていてどれもこれもまずそうでした。
何だか裏切られた感がありました。
子供の頃に観たアニメに出てくる食材は魅力的でした。
ドラえもんのドラ焼き
ポパイの食べている缶入りホウレンソウ
チビ太のおでん
おばけのQ太郎のラーメン
フランダースの犬のスープ
日本まんが昔話の釜で炊いた飯
銀河鉄道999の食堂車
ハイジの白いパン
キン肉マンの牛丼
マンモス西のうどん
アムロの宇宙食
ギャートルズの肉
次元のバーボン
獅子丸のチクワ
ハイジの白いパンはパン屋さんにあのフォルムで販売しているのを以前見かけ、テンション上がって買いましたが美味しくありませんでした。

しかし、同じようにご飯のシーンが出てきてもあまり惹かれないのがサザエさんです。
居酒屋のシーンなんかも出てきますが、まったく惹かれません。
食卓に並ぶご飯も、たまに出前であったりしますが惹かれません。
戸棚にはおやつが潜んでいますが惹かれません。
それは何故か。
たぶん、小さい時から今まで観ているので隣の晩ごはん的な感覚なのだろうか。
ってそれっぽく観察してみたが、結局ビジュアル的にうまそうじゃないのだと思います。
もしくはサザエは手を洗わないから。







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二香辛料

投稿日:2011/04/22
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カバは遠くへ行って戻る時、自分の糞を道々にしるしとして残し、動くそうです。
糞の匂いを頼りにまた帰ってくるそうです。
動物はすごいです。もし自分と似たような匂いがあったとしても、きっとはっきり「これはあたいんじゃない」と分かるんでしょう、素晴らしい。
これが自分だったら全く自信がないので、たぶん戻ってこれないでしょう。
ってか自分の匂いって何!?などと思うことでしょう。
匂いと言えば、それぞれの家庭にそれぞれの匂いがりますね。
例えば友達から借りた本を開くと、その友達の家の匂いがしたりします。
急に泊まる事になって、寝間着にシャツを借りるとシャボンとは違う匂いがほわんと漂ったりします。
それらは○○の匂い、と形容する事は難しいものの確実に「この匂いは誰」と分かったりします。
しかし、自分の家の匂いに関しては住んでる本人にはさっぱり分からないものです。
大人になると、人の家に上がることが少なくなるのであまり意識しませんでしたが、以前に結婚した友人の家に初めて遊びに行った時のこと。
わあーとしゃべって、そろそろ帰ろうと思った時、ふと聞きました。
「お前ん家、今日カレーなん?」
「え、違うよ」
「そしたら、昨日カレーやった?」
「いや、嫁さんがカレー嫌いやからカレーはずいぶんと作ってないよ」
お邪魔しますと入った時からずっとカレーの匂いがしていた私は
「きっと今日はカレーなんやな、日常によくある風景」と思っていたのです。
が、どうやらこのカレー臭はこの家の匂いであると判明しました。
一体、どんな生き方と生き方をリミックスするとカレー臭となるかはナゾです。
彼自身、ゴレンジャーで言うと黄色なので、まあ似合っていて良いのではないかと思いました。







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無味不味

投稿日:2011/04/08
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初めて飲んだシェイクのこと、憶えているだろうか。
あの、ドロドロと喉になだれ込む甘く冷たい感覚は、当時の私にとって衝撃でした。
こんなうまいものがあるのかと。
そんな気持ちを胸に、大人になってもちょいちょいシェイクを飲みたがります。
衝撃的な食べ物、良し悪し含めて皆さんもいくつか出会ってきていると思います。

昔、遊びに行った神戸の中華街で食べた「酸辣湯麺」
食べたことのない私には衝撃的でした。
あれ以来、麺類に酸っぱさは求めなくなりました。
昔、同級生と地元で食べた「天津ラーメン」
食べたことのない私には衝撃的でした。
あれ以来、麺類に「卵とじ」的要素は求めなくなりました。
昔、滋賀へ遊びに行った時に食べた「某有名餃子」
さぞかしうまいんやろうと思って食べた、あの味のない餃子は衝撃的でした。
あれ以来、餃子は知った店で食べようと思いました。
昔、張り切って行ったcafeで食べた「キノコのクリームパスタ」
見た目にもうまいと思って食べた、あの味のないパスタは衝撃的でした。
あれ以来、クリームパスタには注意しようと思いました。

全部全部思い出の品々です。
しかし、味のないってどういうことでしょうか。
イマイチなのは好みによりけりですが、味がないとは。
それはいわゆる高度なコラボレーション。
様々な食材が持つ様々な力をぶつけ、「なし」にする職人芸。誰もなしえない技だと思われます。
その高度な領域は、私にはまだまだ到達することができません。
なぜなら、先日創作料理と称し作った「イタリアンそうめん」は激マズでした。
そうめんとケチャップのコラボレーションは、私に手によると「マズイ」しかなりませんでした。
果たして「なし」にする領域にはいつたどりつけるのでしょうか。







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