年末贈与

投稿日:2012/12/01
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「♪暮れーの元気なご挨拶ー♪」
番組内の口頭CMでアナウンサーの人が
突如歌い出した時には驚きましたが、
お歳暮の季節がやってきたと、無駄に実感してしまいました。
贈る側は悩めども、もらう側になると「うーん」というようなものもあり、
人に何かを贈るというのは非常に難しいものだったりします。
何にしたらよいか悩む人にもらって嬉しいお歳暮ランキングが発表されました。

5位「鍋セット」
4位「スイーツ」
3位「かに」
2位「ビール」
1位「ハム」

5位〜2位までは何となくわかりますが、
私自身1位にハムが鎮座するとは予想だにしませんでした。
確かに、ハムはいいものです。
ハム自体、高価なものですのでもらうと嬉しいです。
ただ、あの高級感漂うハムに対して貧乏人の私としては、
「もらったもんだから」という扱いが出来ずに困る商品だったりします。
あの頑丈に包まれたフォルムもやすやす手を出せない要素の一つです。
例えば「かに」の場合は、早いとこ食べなければならないという思いから、
豪快にかぶりつくことができます。 「鍋セット」も「スイーツ」もそうです。
しかしハムの場合はそういうわけにはいきません。
CMなどでやっているハムステーキ。
分厚く切ってステーキにして食べてみたいと思うけれど、
ハムの確実に減る感じがどうも勿体なくなり、大きくカットできなかったりします。 
酒のつまみにスライスしたのを食べようと思っても、
4・5枚切ったら、つい手を止めて「また明日」とばかりに冷蔵庫にしまってしまいます。
たぶんですが、ハムの「お前次第でけっこう長くもつ」という部分が、
「地味喰い」を促し結果、嬉しさ感が徐々に後退するように思います。
だからと言って、高級感を失くしたハムは贈り物としては不向きになるのが
ハムの憎いところではないでしょうか。
結論から申しますと、私自身一番嬉しいのは「ビール」です。
ただ、酒が好きなだけだろうと言われても否定はしません。
一応、アピールしておきます。


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立入禁止

投稿日:2012/11/29
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カバと住んでいる老夫婦がいました。
洪水で濁流の中、あっぷあっぷと溺れそうな状態で泳いでいた子カバを、
レンジャーの夫が助けたのが始まりです。
夫婦の看病の結果、子カバは元気を取り戻しました。
そのうち二人にも心を開いて懐き、餌をねだったりして甘えだしました。
今では随分と大きく育ちましたが、まだ家の中をウロウロしています。
婦人が料理をしていると、キッチンにやってきて大口を開けます。
婦人はキャベツを、その口へ放り込みます。
二噛みで飲み下すと、再度大口を開いて待ちます。
あきらめ顔の婦人は、今度はジャガ芋を放り込むのです。
そんな番組を見たので、想像の世界で私もカバを飼う事にしました。
カバは普段は玄関に寝ています。
お客さんが来て扉を開けると、その度に外へ出たがるので首輪を引っ張ります。
風呂場は狭いですが、湯舟には年中水を張ってあります。
あまり勢いよく潜られると水が溢れるので、ユックリと入る様に躾ねばなりません。
プライバシーは大切にしたいので、私の寝室は立入禁止となってます。
しかし、私が出かけると鼻で戸を開け侵入するでしょう。
ベッドに登ってうたた寝をしています。
玄関の鍵がガチャガチャと鳴って、私が帰ってきました。
慌てて寝室から飛び出し戸も鼻でソッと閉めて、
台所辺りで出迎えて誤魔化そうとしましたが、
私が寝室に行くと、ベッドに赤いシミがあったのでばれてコッテリと怒られました。
カバの汗は赤いのです。
そのまま野良カバになりました。


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美男子麺

投稿日:2012/11/28
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毎月、月末頃に多チャンネル放送の番組表が届きます。
毎月見ますがこの番組表を元にチャンネルを変えたことはありません。
いつもある種読み物的な役割で、暇つぶしに見ています。
番組表なので、放送するアニメやらドラマやら映画などの紹介をしていますが、
ふと目に留まったのが「韓流ドラマ」の紹介ページでした。
まったく興味はわきませんが、タイトルに目を奪われました。
「イケメンラーメン店 全16話」
タイトルから察するにイケメンのラーメン店の話であろうと想像できますが、
それを16話も考えられる事に、とりあえず驚きました。
紹介文としては、御曹司で世間知らずなイケメンと、
大人で包容力のあるイケメンが1人の女の子を好きになり、
ラーメン作りを通して本当の気持ちに気付いていく、といった内容のようです。
前半は分かります。
イケメンたちが1人の女を奪い合う的な図式なのでしょう。
しかし、なぜラーメンを作らねばならないのか。
タイトルにもあるようにラーメン店となっているので、
何らかの形でラーメン店を営むのだろうけれど、なぜ、ラーメン店なのか。
イケメンとラーメンをくっつける意味が私には全く理解ができません。
男バージョンで考えると、
「美女ラーメン店 全16話」といった感じでしょう。
湯切りする彼女がたまらなく美しいとか、
とんこつをガンガン砕くその真剣な眼差しがたまらない、とか、
そういった事しか出て来ず、美女とラーメンを足す意味がますます分からなくなってきます。
しかし、人気があるのでしょう。 16話も作れるわけですから。
ふと目線を外すと、こんなタイトルのドラマもありました。
「僕らのイケメン青果店 全24話」
韓国のドラマの発想は、私には大きすぎるようです。


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吉永百合

投稿日:2012/11/19
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先日、ポチポチとチャンネルと替えていると、
ふと目にした映画のタイトルが小林信彦が絶賛する昔の映画でした。
レンタル屋に行った時に探すのですが見つからず、
見たいなと思っていたのでとても嬉しい驚きでした。
「幕末太陽傳」というフランキー堺が出ており、
いたるところに落語の話が入り込み、非常に面白い映画でした。
それ以降、その映画チャンネルをチェックする自分がいました。
昔の映画にどうやら興味を持ったようです。
とある日、またそのチャンネルをのぞいてみると三島由紀夫の「潮騒」がやろうとしていました。
そういえば観たことがありません。
話もよく分かりませんので、本当の初見での鑑賞が始まりました。
5分後、主人公である漁師の若い男と、
どこからか舞い戻ってきた若い女(吉永小百合)の話であることが分かりました。
しかし、何か感情移入ができません。
若い女役の吉永小百合がどうにも気になって仕方ありません。
役柄での演技なのだと思うのですが、
無駄に激しい笑い声と感情の起伏が、観ているこちら側が全くついていけないのです。
「何故にこの娘はこんなに激しいのだ?」と考えてしまうと、話が入って来ないのです。
そしてたぶん、この映画の大きな見どころのひとつであろう部分では、
お互い惹かれあう若い男と女が、嵐の日に落ち合おうと約束をした場所があり、
そこに各々来るのですが、先に来た男が火を焚きながら待ちくたびれて寝ていると、
女がやってきて「無邪気」に雨に濡れた服を脱いでいくのです。 
そして目を覚ました男に対して「目を開けたらあかん!」と意味のわからない事を言うのです。
その時点で私は「ほな、服脱ぐなや!」と言ってしまうでしょうが、映画ではそうはいきません。
色々あって、女の指示で男が裸になったらなったで、また女が妙な発言をします。
「こっちへ来い!火を飛び越えてこっちへ来い!」
そして来たら来たで「あかん、嫁入り前の女がこんなことしとったらあかん」と言います。
私は思わず大声で笑ってしまいました。
「何故にこの娘はこんなに激しいのか」
結局、その謎は解けぬままです。 なぜなら私はこの発言以降、チャンネルを替えました。
私には三島由紀夫は大きすぎたようです。


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完全養殖

投稿日:2012/11/10
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ウナギの完全養殖へ一歩前進のニュースを見ました。
ウナギは、世界で最も深いマリアナ海溝近くの海で産卵します。
卵からかえったウナギの幼生が、そこの海底で食べている物が解明されたんだそうです。
それは『マリンスノー』と呼ばれる物で、
主原料は、プランクトンの死骸の破片などからできた沈降物だとか。
研究家たちは「卵から育てる完全養殖技術を確率するため、効率的な餌の開発に役立つ」と自信満々です。
私でも想像が簡単に出来る答えでした。
夜に地元の川で、海に近い河口辺りに竹筒を沈めて、朝見に行くとウナギが取れてました。
竹の中には、魚や獣の死骸を放り込み、一方通行の弁をしておくだけです。
この事から、幼生の私は
「ウナギは腐った肉が好き」
「ウナギは夜行性」
という事を学びました。
今回のニュースは結局の所、親子で良く似た食材を食べる事が解っただけな気がします。
研究家たちは、今まで立派な研究室の中で何をしていたのでしょうか。
蝶は親が蜜を吸い、幼生は葉っぱをかじります。
親子で見た目も食材も全く違いますし、
こんな例はたくさんあるのでしょう。
しかしウナギは違いました。
仕事終わりの研究家とその息子が同じ鍋を囲むが如く、
よく似た物を食べているだけだったのです。
突飛な解答を求めるあまり、
ひねくりすぎて単純な真実が見えなくなっていたとしか思えません。
よしんば研究家たちが幼生の時に、竹筒でウナギを狩った経験が無かったとしても、言い訳は聞けません。
マリアナ海溝の海底にある物を想像すれば、『泥』『プランクトン』『深海魚』の三つだけなのです。
他に何を食べてると、研究していたのでしょう。
全くもって、人を喰ったニュースです。


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楽園参加

投稿日:2012/11/05
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朝、チャイムが鳴りました。
うんこをしようとパンツを降ろした瞬間でした。
「何やねん!」
慌ててパンツを引き上げインターホンに出ます。
「○○と言います、今日は大事なお知らせで各家庭を回らさせて頂いてます。」
そういって訪問内容を述べると、彼らの信じる神様のお話を聞いてほしいとの事です。
「今、うんこ中やもんでポストに放り込んどいて!」
そう言って去ってもらう事にしました。
「分かりました、宜しくお願いします。」
その「宜しくお願いします」は配布物に対するものなのか、
私のこれからのうんこタイムに対するものなのか。
とりあえず、その配布物を便所文庫として読み始めました。
今の世の中の辛いことや悲しいことが終わり、新しい時代がやってきますといった内容です。
こないだ見ていた都市伝説の様な始まりです。
まとめると、彼らの信じる神様は新時代、地球をパラダイスにするようです。
いつまでも生きられる身体、幸福に満ちた日々、死者も蘇ってくるのだそうです。
結構、怖い話です。
幸福に満ちた日々は良いとして、いつまでも生きられる身体というのは
一体どの「歳」での話でしょうか。
私が例えば80歳だったとして、彼らの信じる神様が
「えー、今からいつまででも生きられるんですよ、素晴らしいでしょう?」と言われても、
80歳を延々続けるのは勘弁願いたいと思ってしまいます。
また、死者も蘇ってくるのだとしたら彼らもどの「歳」で蘇ってくるのでしょうか。
死んだ歳だったとしたら、地球は間違いなく「超高齢者社会」となって、
ゴルフ大会はおおよそゲートボール大会に変更することになるでしょう。
彼らの信じる神が描くパラダイスは今一つよく分かりませんが、
そのパラダイスにいられるのは「信じる者」であることが条件の様です。
最初に人間を創造した際、最初の人間たちを試したそうです。
その結果、人間は自分から独立できると信じ、この世の中ができたといったようです。
親の敷いたレールに乗るのはごめんだゼ!と家を出た子供を
「それならもう知らん!」とご立腹な大会社の社長といった図式でしょうか。
そこで社長は考えるのです。 私が考える彼の人生は本当に良いものだろうか。
神様も考えたようです。 私が支配をしていていいのだろうか。
そして様子を見ようと決めて、口出しせずに人間にまかせていた結果がこの時代で、
家を飛び出した子供は、自分でできると信じた人生に負けて、ボロボロになりまた帰ってきてしまう。
「ほら、私が思った通りに生きれば良かったのだよ」と社長は子供を受け入れます。
そういった思いを持つものだけが、パラダイスに残れると言った様子です。
「だからあなたも私たちと手を取り合いましょう」
そうですか、とりあえず言えることは便所文庫としては合格点の内容でした。


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手間手間

投稿日:2012/11/04
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寒さに耐えかねて、暖房器に頼る事にしました。
押し入れの奥から、ファンヒーターにご登場願います。
まず押し入れ前のソファをどけ、押し入れを開けて、手前のダンボール箱を出します。
ファンヒーターは一番奥に鎮座していました。
ファンヒーターを出したらダンボール箱をしまって、ソファを戻し、押し入れを閉めました。
灯油のポリタンクは、ベランダのプラスチック箱にしまい込んであります。
プラスチック箱を開けると、横にして置いてあったポリタンクから、
灯油が流れ出てました。
新聞紙をちぎっては浸しちぎっては浸しを繰り返して染み込ませました。
バケツに水を汲んで洗います。
匂いは残りましたが、自然乾燥に任せる事にしました。
灯油まみれのポリタンクは雑巾で拭いて良しとしました。
ハタと部屋の片隅に目をやると扇風機が立ってます。
コイツを片付けねばならない事を忘れていました。
扇風機の頭を分解し、風呂場へ持っていき、
洗剤をかけて洗いました。
羽や金網を乾かしながら、扇風機を仕舞うダンボール箱を捜します。
ダンボール箱は、押し入れの最初にファンヒーターが鎮座していたスペースに押し込んだ事を思いだしました。
再度、押し入れ前のソファをどけ、押し入れを開けて、手前のファンヒーターが入っていた箱を出し、
一番奥の扇風機の箱を取り出しました。
乾いた扇風機一式を箱に入れ、押し入れの奥に入れ、ファンヒーターの空箱を入れると、
今度は何故か押し入れが閉まりません。
試行錯誤を繰り返し、ようよう閉まったのでソファを戻しました。
ポリタンクを設置する場所を決め、ソコヘ紙を敷きました。
紙は灯油でへたるので、様子を見ながら三回変えました。
大汗をかき扇風機が恋しくなりましたが、グッと我慢です。
ファンヒーターのスイッチはオフのままでした。


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膝之記事

投稿日:2012/11/03
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新聞の下の方に、雑誌の宣伝が掲載されていました。
特集が『ひざ痛が消えた!』でしたので、健康に関する雑誌みたいです。
『歩く、立つ、しゃがむもラクラク!水も抜けて再発なし!軟骨力劇的アップ1分運動』も教えてもらえます。
他にも記事が並んでいました。
1)急告!ひざ痛の解消には運動が必須だがひざへの負担が大きい速歩や痛みをこらえて行う筋トレでは逆に悪化し危険
2)あなたのひざ痛は今後どう対処すれば悪化せず早く治るか?根治までの期間の目安もわかる治し方行程表
3)ひざ痛根治にはまず負担が軽い運動で軟骨再生を促すべきで病院でも行う運動の傑作はひざ振り子
4)ひざ振り子は激痛が瞬時に和らぐ1分運動でみんなひざを曲げ伸ばせた!立てた歩けた!水も抜けた!
5)軟骨再生の次は再発を防ぐひざ守り筋運動をすべきで名医考案 ひざグッパーで正座 屈伸も片足たちもできた!
6)検査でも異常がなく運動でも治らないひざ痛は股関節のズレが真原因とわかり 3秒尻トレで続々治り驚いた
7)ひざの内側を傷めるO脚は 足の指が地面から離れた浮き指の人に多発し一挙に治す秘策は 足の親指回し
8)初公開 軟骨の修復力も保水力も断然優れた 革命的軟骨栄養が見つかり重症でも治って階段スタスタ!
9)ひざ痛の誰もが使うサポーターは巻くタイプが最高で、水もたまりにくい!
10)やせるには腹ペコトレを行う 手術は軟骨再生手術を受けるなど ひざ痛一掃生活 ベストアンサー
11)さむさで悪化するひざ痛がショウガマッサージとひざ抱え入浴で即日治った
付録は『ひざ振り子のやり方早かりポスター』だそうです。
僅かなスペースに『ひざ』という言葉が17コも出てきました。
この編集部の方々のひざを観賞してみたいものです。


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会議傍聴

投稿日:2012/11/02
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先日、とある会議を傍聴してきました。
狭い、おそらく12畳ほどの会議スペース。
その部屋の出入口前の端っこに、傍聴席がポツンと設けられてました。
時おり、すき間風が吹き込んできます。
会議への参加者は十五名くらいで、全員大人でした。
別段、会議内容に興味があった訳ではありません。
『開店祝いの花輪』と言いますか、『枯木も山の賑わい』な扱われ方です。
そんな暇があるならば、裁判所の傍聴席に陣取ってるほうが、
よっぽど面白くてタメになる話が聞けるのは解ってます。
そういえば近頃は裁判所へも、めっきり行かなくなりましたね。
あの当時に裁かれていた、コンビニ強盗や成人暴走族たちは、元気にやってるんでしょうか。
そんな心配を無視した「開会宣言」により、会議は始まりました。
コッソリと進行表を盗み見ると、3時間の予定で、早速ウンザリです。
机をロの字に並べた真ん中に、スピーカーが置かれ、
そこから延びた太いコードの先にマイクが付いていました。
「そこのアルファベット表記が小文字なのは何故か?」
「この資料の『進行』とはどんな意味か?」
等と、皆目意味不明の質問に対して、
「後日、大文字に訂正致します」
「『進行』とは『深行』と同義語です」
とバカな回答をしています。
司会者が単独で、進行やらをしている時は大丈夫でしたが、
ラリーが始まると、マイクが二本しか無いので、
コードが絡まったり、バケツリレー風にパス回しをしたりと、
痛々しい場面が続出でした。
結局2時間少々で終了したのですが、
最後にディレクターみたいな人が
「時間通りに進行しないと困ります」と発言してました。
『会議のための会議』ほど、馬鹿らしい事は無いと確信できました。


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六三一万

投稿日:2012/10/28
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この「よみもの」が掲載されているのは、ファーストベースという会社のホームページです。
先日、そのホームページを管理している会社の偉い人と話をする機会がありました。
以前にも書きましたが、
このまま「よみもの」を垂れ流し続け、容量が増え過ぎると、ホームページ本体の何かを圧迫する恐れがあるとかで、
散々脅された過去があります。
ですので、執筆サイドとしましては、少々身構えて相対せざるを得ませんでした。
ソファに座ると、スッと珈琲が出されましたが、
おいそれと口にはしません。
しかし偉い人は、前回の脅迫面をさも無かった事のようにして、
見たことの無いニコニコ顔で語りかけてきます。
何でも『検索ワード』で『ファーストベース』を検索すると、ここのホームページがトップに表示されるんだとかで、
偉い人に似つかわしく無いテンションで
「凄い事です!6130000件の中で1位ですよ!」
と喜んでいます。
何の事やらよく解りませんが、珈琲を口に含みながら
「そうなんですか」と、私は答えます。
そのローなテンションが気に障ったのか
「100件や200件じゃないんですよ!ろっっぴゃぁくうぅまぁんけぇえんーなんですよ!」と大きな声を上げました。
はてさて、世の中に『ファーストベース』で検索する人が、何人いると思っているのでしょうか。
例えば野球場の職員が、ファーストベースが壊れたので買い替えが必要となり、何故か検索をするとしましょう。
この場合、ファーストもセカンドもサードも、ホームベース以外は同じ形ですので、検索ワードは『ベース』です。
又は、草野球で一塁手の彼に片思い中の娘が、プレゼントを考え、何故か検索したとします。
ファーストベースを贈るとは考えられません。
頑張って『ファーストミット』止まりです。
なぜなら『ミット』は個人の所有物になりますが、
『ベース』は皆の物だからです。
したがって、『ファーストベース』で検索をする酔狂な輩は、
この世の中で、私の目の前の偉い人だけという事になるのです。
その事実を伝えられる訳もなく、
イッキに珈琲を飲み干した私は
「ご馳走になりました」と、呟いて帰りました。
偉い人はまだニコニコとしていました。


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